日本全国には、秋に美しい景色が広がる絶景スポットが数多く存在します。
紅葉や秋に咲く花の美しさ、自然が作り出す景色が魅力的な場所を、今回は21か所ご紹介します。秋のお出かけにぜひ活用してください。

層雲峡(北海道)

北海道の大雪山は、日本で最も早く紅葉が楽しめる場所として知られています。
その中でも層雲峡は、紅葉の名所として人気です。

層雲峡温泉からロープウェイとリフトを乗り継ぐことで、気軽に黒岳の7合目まで登ることができます。ロープウェイから眺める景色は素晴らしく、紅葉のじゅうたんに包まれた景色を楽しむことができます。

その他にも、迫力ある滝や美しい高山植物、夜間のライトアップなど、見どころがたくさんあります。

また、温泉施設も充実しているので、ぜひ宿泊しながらゆっくりと訪れてみてください。

蔦沼(青森県)

蔦沼は、「蔦七沼」と呼ばれる7つの沼の1つ。蔦七沼で最も大きな蔦沼は、秋の紅葉シーズンに多くの人々が訪れる人気スポットです。

秋には周囲の原生林が美しく色づき、赤や黄色の紅葉が水面に映り込む美しい景色を見ることができます。
特に朝方、日の出の頃がもっとも蔦沼の紅葉が輝く時間帯です。

山から射し込む朝日が少しずつ蔦沼を照らしていく様子は、世界が明るく開けていくようで、蔦沼一帯の紅葉をより一層美しく感じさせます。

城ヶ倉大橋(青森県)

「十和田八幡平国立公園」内にある城ヶ倉大橋。全長360メートル、アーチ全長255メートルの日本一長い上路式アーチ橋で、この橋からの眺めは絶景です。

夏の新緑や冬の雪景色、そして四季折々の風景が八甲田山の美しさを引き立てますが、特に紅葉の時期には、赤や黄色に彩られた山々の絶景を楽しむことができます。

橋からは、八甲田連峰や青森市街、岩木山を望むことができます。また、橋のすぐ下には、美しい自然が残る城ヶ倉渓流が広がっています。

橋の両端には駐車スペースと小さな休憩所があるため、車を停めて景色を楽しむこともできますよ。

鳴子峡(宮城県)

鳴子峡は大谷川の浸食によって形成された峡谷で、高さ約100メートルの断崖が2.5キロメートルにわたって続いています。その中で展開される紅葉の美しさは、数ある名所の中でも一級と言われています。

ブナ、ナラ、カエデなどの樹木が赤や黄色に染まり、常緑樹のマツなどと美しいコントラストを作ります。崖にしっかりと根を張る木々が、谷を覆うように枝を伸ばす姿は見事です。

峡谷沿いには自然遊歩道も整備されています。

五色沼(福島県)

福島県北部の裏磐梯にある五色沼は、大小30以上の湖沼からなる湖沼群です。
毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼など、たくさんの湖沼があり、1時間半ほどで全てを巡ることができます。

五色沼という名前は、エメラルドグリーンやコバルトブルー、ターコイズブルーなど、さまざまな美しい色が見られることに由来しています。
これは、鉄やマンガン、ケイ酸アルミニウムなどの火山性物質や、水中の植物や藻によって生み出されると考えられています。

10月中旬から11月上旬は、五色沼で紅葉を楽しむのに最適な季節です。色づく木々と美しい水面が絶妙な景観を生み出し、錦秋の風景を堪能することができます。

特におすすめなのは、「青沼」。水の色が五色沼の中でもひときわ鮮やかで、紅葉と青の水面が作り出すコントラストは、感動的なものです。

那須フラワーワールド(栃木県)

那須フラワーワールドは、那須高原の広大な敷地に広がる花畑で、四季折々の美しい花々と那須連山の壮大な景色を楽しむことができる名所として知られています。

8月下旬~10月下旬には、ケイトウの花が見頃です。ケイトウは「鶏頭」と書かれるほど、鶏の冠羽のような形が特徴的な花です。

那須フラワーワールドでは、なだらかな丘陵地を活かして例年25万株以上のケイトウが植えられ、ピンクや赤、黄色などの色鮮やかな花を咲かせます。

そこに連山が背景に広がる風景と合わさると、まさに圧巻の光景が楽しめます。この花畑は別名「那須花の地上絵」とも称されています。

国営ひたち海浜公園(茨城県)

国営ひたち海浜公園では、約4万本のコキアが10月上旬から紅葉し始め、10月中旬には「みはらしの丘」を真っ赤に染め上げます。

さらに、コスモスやソバの花が丘のふもとで咲き誇り、今年は初めて登場する「ウェルカムガーデン」もあります。秋の花々が美しく咲き誇り、まるでブーケに包まれたような華やかな花畑が広がります。

この時季にしか見ることのできない、特別な景色をぜひ楽しんでください。

国営昭和記念公園(東京都)

国営昭和記念公園では、「かたらいのイチョウ並木」と「カナールイチョウ並木」の2箇所のイチョウ並木があり、黄葉シーズンに人気の高いスポットです。最盛期には、足元も頭上も黄色に染まり、「黄金のトンネル」が現れます。

また、「日本庭園」ではカエデ類が紅葉し、その他にも園内のさまざまな場所では広葉樹が色づき、季節の彩りを添えます。

さらに、毎年紅葉・黄葉の期間中、夜の時間帯にはライトアップイベントが開催されます。「日本庭園」と「かたらいのイチョウ並木」が美しい光で照らされ、その景色は幻想的です。

仙石原すすき草原(神奈川県)

箱根の秋の絶対的なおすすめスポットは、仙石原のすすき草原です。
仙石原エリア・台ヶ岳北西のふもと一帯は、広大なすすきの草原として知られており、秋になると黄金色の穂が一面に広がります。

すすき草原の中央には遊歩道があり、背丈を超えるほどのすすきの穂に囲まれた幻想的な景色も楽しむこともできます。

見頃は9月下旬から11月上旬までで、初めの時期は銀色に輝く穂が美しく、秋が深まると穂が開き、淡い金色の草原へと変化していきます。この変化もまた、見どころのひとつと言えるでしょう。

赤そばの里(長野県)

長野県の南アルプスと中央アルプスに挟まれた伊那谷と呼ばれる地方の北部にある箕輪町。
夏の暑さが少し和らぐ頃から、周囲を山で囲まれた緩やかな傾斜地が、一面のピンク色に染まる「赤そばの里」があります。

ここでは全国的にも珍しい「赤そば」を東京ドームほどもある広大な畑で栽培しており、まるでピンクのじゅうたんが広がっているような景色を魅せてくれます。

見頃は9月下旬から10月中旬頃で、同時期には赤そばの里祭りも開催されます。
そば処では手打ちそばを味わうことができ、地元野菜や特産品の屋台も出店しています。

花が咲き揃うと、景色はピンクから赤みが増し、美しさが一段と引き立ちます。
赤そばの花の美しさを楽しむために、ぜひ一度訪れてみてください。

千畳敷カール(長野県)

カールとは、氷河時代に氷で削り取られてできたお椀型の地形のことです。この場所は畳を1,000枚敷いた広さがあることから、「千畳敷カール」と呼ばれています。

カール地形の多くは山を登らなければ見ることができませんが、千畳敷カールへはロープウェイを利用してアクセスできます。登山道具が必要なく、手軽にカールの壮大さを間近で感じることができます。

四季折々に変化する壮大で美しい景色を求めて、全国から多くの登山者や観光客が訪れます。特に秋の千畳敷カールは、紅葉によって美しく色づきます。美しい紅葉と威風堂々たる岩肌とのコントラストは、まさに自然が織りなす芸術作品といえるでしょう。

山中湖花の都公園(山梨県)

山中湖花の都公園では、四季折々に彩を変える花々を堪能することができます。
標高1,000メートルの高原に位置し、富士山と花々の美しいコントラストにはただただ驚かされます。

9月中旬から10月中旬にかけては、約320万本のコスモスが咲き誇る光景が楽しめます。

その他にも、広大な30万平方メートルの花畑エリアでは、無料でさまざまな植物たちを見ることができます。
自転車の貸し出しも行っているため、美しい花々を眺めながらサイクリングを楽しむこともおすすめです。

河口湖(山梨県)

河口湖は、富士五湖の中でも特に有名な観光スポットであり、富士山の絶景が楽しめるとして多くの観光客に人気です。
また、紅葉の名所としても知られています。

11月上旬から中旬にかけて、河口湖畔には約400〜500本の紅葉が広がり、美しい風景が湖面に映し出されます。

この時期には毎年、「富士河口湖紅葉まつり」という町の大イベントも開催されます。イベント会場周辺では、地元のグルメやお土産、クラフトの店舗が出店し、ステージではさまざまな催し物も行われます。

さらに、河口湖美術館通りの「紅葉回廊」ではライトアップが行われ、幻想的な景観を楽しむことができます。

大田子海岸(静岡県)

大田子海岸の夕陽は絶景で、「日本の夕陽百選」にも選ばれています。

一番の見頃と言われるのは、3月と9月。春分の日と秋分の日の前後に、田子島の男島と女島の間に夕陽が沈む様子は絶景で、県内外から観光客やカメラマンが多く訪れます。

春分・秋分の日の前後には、「夕陽ボランティア」が訪れる人々に撮影ポイントや奇岩の説明をしてくれます。

奇岩の中でも一番人気はゴジラ岩。夕陽がゴジラの目にかかって輝く瞬間を見ることができれば、幸せになれると言われているそうですよ。

立山黒部アルペンルート(富山県)

立山黒部アルペンルートは、北アルプスの標高3,000メートル級の山々を縦断する山岳観光ルート。ケーブルカーやロープウェイを使えば、登山やハイキングに慣れていない方でも観光を楽しむことができます。

麓の立山駅から山頂に広がる高原・室堂平では標高差が1,975メートルに及ぶため、例年9月中旬~11月上旬と長い期間にわたって紅葉を見ることができます。

立山黒部アルペンルートの中でも1番の紅葉の名所と言われるのが、「タンボ平」。
紅葉シーズンの9月下旬から10月中旬にかけて、ここは見渡す限りの色鮮やかな紅葉のじゅうたんとなります。

大観峰と黒部平をつなぐ立山ロープウェイからは、この広大な紅葉のじゅうたんの上での空中散歩を堪能することができます。

香嵐渓(愛知県)

香嵐渓は全国にその名を知られる紅葉の名所。イロハモミジやオオモミジなど、11種類のカエデが約4,000本もあり、秋になると鮮やかな赤や黄色に染まる景色は見事です。
通常、11月中旬から11月下旬にかけて、山全体が一斉に色づき、巴川の川面も美しく彩られます。

また、11月1日から11月30日までの期間は、「香嵐渓もみじまつり」が開催されます。この期間中に行われるライトアップは、息をのむほど美しく幻想的な光景を楽しむことができます。

メタセコイア並木(滋賀県)

果物狩りが楽しめる農業公園マキノピックランドから、キャンプやスキーを楽しめるマキノ高原へ約2.4キロメートルにわたって、美しいメタセコイア並木が続いています。

道の両側に植えられた約500本のメタセコイアは、秋になると美しい紅葉を見せ、黄色からレンガ色へと徐々に染まります。通常、見ごろは11月下旬から12月上旬の間です。

メタセコイア並木は円錐形をしており、まっすぐに伸びる道路との整った景観が調和し、野坂山地の山々とも美しい対称性を作り出しています。その美しさから、このメタセコイア並木は新・日本街路樹百景にも選ばれています。

瑠璃光院(京都府)

平安時代から八瀬の地にひっそりと佇む京都・瑠璃光院。もともと天武天皇が壬仁の乱でケガをしたときに窯風呂で傷を癒し、その後も平安貴族や武士たちに安らぎの郷として親しまれてきた場所です。
普段は文化保護のため公開していませんが、春と秋の期間だけ特別拝観を行っています。

特に注目すべきは、書院の窓一面に広がる瑠璃の庭と八瀬の山々の紅葉。窓枠が額縁のようにその景色を切り取ります。

さらに、磨きあげられた黒塗りの写経机が窓の外の景色を映し出し、まるで天地が一体化したかのような幻想的な風景を作り出します。この風景は「リフレクション紅葉」としてSNSでも話題になりました。

この夢のような景色を自分の目で見たい、美しい色彩を写真に収めたいと思う多くの人々が、秋に開催される特別拝観に訪れます。

寒霞渓(香川県)

寒霞渓は、日本屈指の名勝地であり、日本三大渓谷美の一つとして知られています。この地は、ミシュラン・グリーンガイド四国でも一つ星を獲得しているほどの素晴らしさがあります。

ロープウェイに乗れば、広々とした車窓から寒霞渓の美しい渓谷と瀬戸内の海岸美を一度に楽しむことができます。

長い年月をかけて形成された自然の風景はもちろん、島全体が鮮やかな赤や黄色に染まり、まるで山全体が燃えるかのように美しい紅葉も魅力です。特に寒霞渓周辺の奇岩に沿って広がる紅葉は見事です。

九重”夢”大吊橋(大分県)

九重町にある「九重“夢”大吊橋」。長さ390メートル、川床からの高さ173メートルのこの橋は、歩道専用としては「日本一の高さ」を誇る吊橋です。

橋から眺める景色は壮観で、「日本の滝百選」にも選ばれた「震動の滝・雄滝」や「雌滝」を望み、足下には筑後川の源流域を流れる鳴子川渓谷の原生林が広がります。四季折々に織りなす大自然の変化は訪れる人々を魅了してやみません。

特に秋には紅葉の名所として知られ、多くの観光客でにぎわいます。

のこのしまアイランドパーク(福岡県)

福岡県福岡市の博多湾内に位置する能古島にある、「のこのしまアイランドパーク」。
能古島は周囲が約12キロメートルと小さな島であり、福岡の港からフェリーでわずか10分ほどの距離に位置しているため、行楽地として人々に親しまれています。

のこのしまアイランドパークでは一年を通じてさまざまな花が咲きますが、秋のコスモスが特に人気です。

公園内には二つの大きなコスモス畑があり、一つ目の畑には約50万本の早咲きコスモス、もう一つの畑には約30万本の遅咲きコスモスが植えられています。
早咲きコスモスは10月上旬から下旬にかけて、遅咲きコスモスは10月下旬から11月中旬にかけて見頃を迎えるため、コスモスの花を長く楽しむことができます。

コスモスの花々が潮風に揺れる様子の向こうには、博多湾の青い海と島々が広がります。ここ能古島でしか味わえない素晴らしい風景です。

まとめ

日本全国に広がる秋の絶景スポットを21か所ご紹介しました。これらのスポットを訪れることで、日本の美しい自然に触れ、心を豊かにすることができるでしょう。ぜひ、日本の美しい秋の風景を楽しみながら、絶景スポットを巡ってみてください。