新しい生活が始まると、環境の変化やストレスから十分な睡眠が取れず、疲れが溜まりがちです。質の良い睡眠は、健康維持や日常生活のパフォーマンス向上に欠かせません。今回は、新生活のリズムを整えるのに必要な睡眠時間についてと、睡眠の質を上げるための方法についてご紹介します。

推奨される睡眠時間

実は、厚生労働省の健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)で、年代別に推奨されている睡眠時間が異なっています。適正な睡眠時間を取ることで、生活習慣病などのリスクを低減する効果があります。また、しっかりと休息を取ったと実感することも健康につながるので、一度自分の睡眠について見直してみてください。

成人

成人の場合、毎日の睡眠時間を6時間以上確保することが推奨されています。個人差はありますが、平均して7〜8時間の睡眠が理想的です。睡眠時間が不足すると、集中力の低下や免疫力の低下、さらには慢性的な疲労感に繋がる可能性があります。適切な睡眠を確保することで、日中のパフォーマンスを最大限に発揮することができます。

こども

こどもは成長期にあるため、十分な睡眠が特に重要です。年齢によって必要な睡眠時間は異なります。

新生児(0〜3ヶ月):14〜17時間

乳児(4〜11ヶ月):12〜15時間

幼児(1〜2歳):11〜14時間

幼児(3〜5歳):10〜13時間

小学生(6〜13歳):9〜12時間

中学・高校生(14〜18歳):8〜10時間

こどもの成長と発達に必要なホルモンは、主に睡眠中に分泌されます。質の良い睡眠は、学習能力や記憶力の向上にも繋がります。

高齢者

高齢者の場合、個人の体調や生活状況に合わせた睡眠時間、床上時間を見つけることが推奨されています。しかし、年齢と共に睡眠の質が低下しやすく、夜中に目が覚めることが増えるため、30分程度の昼寝を取り入れることも有効です。日中に短時間の昼寝を取り入れることで、夜間の睡眠の質を向上させることができます。

睡眠の質を上げる秘訣

1. 規則正しい生活リズムを保つ

毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることで、体内時計が整います。休日もできるだけ同じリズムを維持することが重要です。一定のリズムを保つことで、入眠しやすくなり、深い睡眠を得やすくなります。また、朝起きて太陽の光を浴びると、体内時計のリズムを調整でき、就寝のタイミングに合わせて眠りにつきやすくなります。

2. 体を温める

入浴で体が温まることでリラックスでき、質の良い睡眠が期待できます。入浴は就寝の2〜3時間前までに行い、40度のお湯に10〜15分浸かるのがおすすめ。入浴すると体の芯から温まるので血行が促進され、皮膚から熱が放出されていくことでスムーズに就寝へと移行できます。すぐに体が冷えてしまいそうな冬などは、就寝前までに湯たんぽや部屋の温度を調節して温かく過ごしておくのも効果的です。

3. 寝る前はデジタル機器の使用を控える

寝る前のスマホやパソコンの使用は避けるようにしましょう。ブルーライトは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、入眠を妨げる原因となります。できるだけ暗くして寝るようにしましょう。

4. 食生活に気を付ける

寝る前に重たい食事を摂ると、消化に時間がかかり、睡眠の質が低下します。夕食は寝る3時間前までに済ませ、消化の良いものを選びましょう。また、カフェインやアルコールの摂取も控えることが大切です。カフェインの摂取量は、1日400㎎を超えないようにしましょう。アルコールは一時的には寝つきを促進はしますが、睡眠後半の眠りの質を悪化させてしまうので、結果的に睡眠の質を低下させてしまいます。アルコールは就寝前の2時間前までに、カフェインは5〜6時間前から控えましょう。

主なカフェイン含有飲料のカフェイン量

・コーヒー 100mLあたり60mgのカフェイン

・紅茶 100mlあたり30mgのカフェイン

・エナジードリンク 100mlあたり30mg~35mgのカフェイン

5. 適度な運動をする

日中に適度な運動をすることで、夜に深い睡眠を得やすくなります。夕食までに軽く汗ばむ程度の有酸素運動を30分〜1時間程度行うのが理想的です。ただし、激しい運動は寝る前に行うと逆効果になるため、軽いストレッチやウォーキングがおすすめです。

新生活では息抜きをすることも必要です。静かな時間を東京で過ごしてみることもおすすめです。

まとめ

新生活が始まり、環境が変わるとストレスや疲れが溜まりやすくなります。今回紹介した方法を取り入れ、快眠ルーティンを実践することで、新生活をより楽しんで過ごせるでしょう。充実した毎日を送るために、まずは質の良い睡眠を手に入れることから始めてみてくださいね。

出典:

厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151834.pdf