春に向けて新生活の準備を始めると、はじめに悩むのが物件選びではないでしょうか。一人暮らしが初めてなら、どんな部屋に住みたいか夢も大きく膨らみますよね。ここでは、理想像やイメージだけで選ぶ前に見てほしい、部屋選びの際の見逃しがちな10の注意点をご紹介します。住んでからガッカリしたという状況に陥らないよう、少しでも参考になりますと幸いです。

部屋の中の注意点

1. リノベーション物件

アプリやインターネットで部屋探しをすると、メインの部屋の写真のきれいさやデザインに注目してしまいがちですが、築年数やその他の設備の状態を確認しておくことが重要です。まず、築年数がある物件は外観や設備が古いままの物件が多くあります。編集部のAも初めての一人暮らしの部屋は、リノベーション物件に住んでおり内装以外の確認不足で後悔しました。例えば、アパートの階段が鉄骨製で、雨の日には雨ざらしになってしまう状況だったため、住んでいた2階から移動する際に滑って腰を打ったことや、お風呂場に換気扇がついておらずカビが生えやすかった、といった経験があります。設備でも、水漏れや給湯器の設備不良などさまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。

★ポイント★

  • 内見時に設備について不動産会社へ確認する。
  • 物件を探す際に設備の部分を条件に入れて、部屋以外の部分を把握する。

2. 備え付け設備

部屋に備わっている設備によって必要な準備や持ち物が変わるため、どの設備があるか、またどの設備が必要不可欠かを確認することが重要です。例えば、自炊をしたい方がコンロ一口のみの部屋に住む場合、同時に調理ができないことで不便を感じるでしょう。また、インターネット完備の部屋を選んだ方でも、通信速度に不満を感じたり通信費を家賃に上乗せされていたりするので、自分で契約した方が良かったという場合も考えられます。自分の生活をイメージし、必要な設備を取捨選択して快適な暮らしを実現しましょう。

★ポイント★

  • SNSなどで一人暮らしの方のルームツアー投稿などを参考に、自分にとっての理想の部屋のイメージを固めておく。
  • 物件探しのポータルサイトやアプリで、こだわりや条件といった絞り込み機能を使い、キッチンなどの場所別や全体の設備を確認しておく。

3. ロフト付き物件

狭い部屋を有効に活用する方法として、ロフト付き物件が広まっていますが、使い方によっては不便に感じる可能性があります。特に、ロフトスペースを寝室や第2の居住スペースと考えている場合は、少し難しいかもしれません。通常、ロフトは二層構造の部屋で、天井近くに設けられた床に、ハシゴを使って移動します。部屋としては天井高が最大1.4Mと制限されているため、立って歩けなかったり急なハシゴや階段を使っての移動が必要だったりして、実際の生活では不便を感じることがあります。

また、エアコンが効かない空間であることも多いので、居心地の良い環境にできるかも検討する必要があります。しかし、大量の服や布団など大きめのものを収納する荷物置き場や、空間が独立しているため趣味の世界観を楽しむスペースとして考えれば上手く活用できますよ。ロフトの形状などを考慮し、メリット、デメリットを比較してみてください。

★ポイント★

  • ロフトの天井までの高さやスペースを考え、日常的に使う部屋として利用したい場合は要検討。
  • 服などの収納スペースや趣味部屋や書斎など一時的に座って利用する空間として利用する場合はOK。

4. 物件の構造

意外にストレスを感じるのが周りの騒音です。自分は静かに暮らしていても、周りの方が同じように過ごすとは限りません。夜遅くに音楽や話し声など想定外の騒音に悩まされる可能性があることを念頭に置いておきましょう。また、室内を歩く音や洗濯機を回す音などプライバシーが守られていないこともあります。防音対策としては、家の構造を確認しておくことが有効です。周りの方との騒音トラブルを避けるためにも、条件の1つとして考えてみてください。

★ポイント★

  • 防音性が高い鉄筋コンクリート系の構造を選ぶ。
  • 不動産会社の担当者に騒音トラブルなどの情報を聞く。
  • 壁や床を叩いて厚さや音の響き方を確認しておく。

5. 日当たり

日当たりのいい物件を選ぶことで、部屋の雰囲気が明るく見えたり、冬でも日光で部屋が温かく暖房代の節約になったりします。1番のメリットは、湿気がたまりにくいためカビが生えにくいことです。しかし、日当たりがいい物件は人気であることが多く、家賃が高めに設定されている場合もあります。また、日当たりが悪い部屋の場合でも、こまめに換気することでカビを防げます。気を付け方次第では快適に過ごせるので、日当たりの優先順位を検討してみましょう。

★ポイント★

  • 日当たりがいい家か確認する。
  • 午前、午後に分けていつ頃にどのくらい日差しが入るか確認する。
  • 日当たりが悪い家でもこまめな換気で快適に過ごせる。

6. エレベーターの有無

3階〜5階建ての中層住宅ではエレベーターがない家もあります。毎日の昇り降りは体力があれば男女関係なく問題ないのですが、大きな荷物を頼んだときに運んでくれない場合や、引越し時に追加料金がかかる場合があります。エレベーターの有無は見逃してしまいがちなので、きちんとデメリットがあることも把握して選びましょう。

★ポイント★

  • 住みたい部屋の階数によってはエレベーターがあるか確認する。
  • 重たい荷物を運ぶことを考えておく。

7. 内見する

内見をせずに物件を写真や条件だけで選んだり、周辺の情報を確認せず契約したりすると、上記で説明した不便な点に気付けずに後悔する部屋選びになるかもしれません。遠方で内見が難しい方や、忙しくて時間が取れないという方は、オンライン内見などを活用して写真だけでは伝わりづらい部屋の状態を確認しましょう。その際、担当者へ日当たりや壁の薄さなど画面越しだと分からないことを教えてもらえるように事前に聞きたいことはメモしておくと安心です。

★ポイント★

  • 住みたい部屋はできるだけ内見しましょう。
  • オンライン内見などで担当者と話す場合は、遠慮せずに疑問点を聞きましょう。
  • 画面越しだと分からないことは事前にまとめておき、聞き漏れがないようにしておきましょう。

場所の注意点

8. 駅から家までの距離

部屋選びにおいて、駅から自宅までの距離は重要なポイントです。不動産広告では最寄り駅からの徒歩時間が記載されていますが、信号待ちの時間や駅の出入口からホームや改札までの時間は考慮されていません。そのため、実際に歩いてみると思ったよりも時間がかかることがあります。自宅までの距離の優先順位が高い場合は、実際に歩いてみて苦ではないかどうか確認してみてください。

★ポイント★

  • 最寄り駅から住みたい部屋まで実際に歩いてみる。
  • インターネットのマップで経路を確かめ、周辺状況や坂がないかを確かめる。

9. 物件の周辺を確認する

忘れがちなのが周辺の状況を確認することです。治安などの安全面はもちろんのこと、観光地近くだと景観の観点から洗濯物を外に干せないケースもあります。不動産会社の担当者へ周辺環境について質問したり、その土地に住んでいる方の口コミを調べたりして事前に確認しておくようにしましょう。

★ポイント★

  • 物件がある地域住民の口コミを調べてみる。
  • 不動産会社へ周辺環境を確認する。

10. スーパーやコンビニが近いか確認する

スーパーやコンビニなど買い物ができる場所が、家から5分以内の場所にある、または駅から家までの間にあると立ち寄れて便利です。また、郵便の受け取りや公共料金の支払いもすぐにできます。暗い夜道は、もしもの場合の避難所にもなりますので周辺にあるかどうかは確認しておくと良いでしょう。

★ポイント★

  • インターネットのマップで周辺を確認する。

新生活において快適な部屋で過ごすためには、ご紹介したさまざまな注意点に気を付けましょう。これらのポイントを押さえて、理想の部屋で新しい生活を始めてみてくださいね。