お正月に欠かせない伝統的な食べ物といえばお餅。家族みんなで食卓を囲む中、小さな子どもたちにも、お餅を楽しんでもらいたいものです。しかし、お餅はのどに詰まりやすい食品で、特に小さな子どもにとっては安全性が心配な一面もあります。この記事では、子どもが安全に、そしておいしくお餅を楽しむためのポイントを詳しく解説します。
目次
お正月に餅を食べる由来
お正月にお餅を食べる習慣は、平安時代に始まった「歯固めの儀式」が由来と考えられています。お餅をはじめ、大根、昆布など硬いものを食べることで長寿を願ったとされています。その風習が現代に続いており、お正月にお餅を食べるようになっているようです。また、「ハレの日である」お正月には、お餅を食べてお祝いする習慣も根付いているとされています。
餅を食べられる年齢は?
はじめに、子どもが安全にお餅を食べられる年齢について知ることが大切です。お餅は粘り気が強く、噛む力が弱い子どもだと窒息する危険性が高まります。専門家には、3歳以上が一つの目安とされています。しかし、最も大切なのは餅を食べても問題ない程度、子どもが成長しているかです。
餅を与える前に以下のポイントをクリアしているか確認してみましょう。
- 咀嚼(そしゃく)力の発達:食べ物をしっかりと噛む力がついており、よく噛んで食べることができるか。
- 飲み込む力の成熟:のどに詰まらせずに飲み込む能力が向上しているか。
- 乳歯の成長:上下の乳歯が生え揃っているか(通常20本)。
- 親の指示への理解力:親の「よく噛んで少しずつ食べようね」といった言葉の意味を理解しているかが大切です。
- 食事中の態度:食事中に寝たり、落ち着きがなかったりする場合は、お餅を食べるには危険な態度です。姿勢を正して、集中して食べられるのが望ましいです。
- 親の注意が必要:安全に食べられるかは個人差があるため、食べさせる際は目を離さないことが重要です。
食べやすくなる方法は?
子どもでも安心してお餅を食べられるようにするには、食べ方を工夫することが重要です。ここからは、子どもに優しいお餅の食べ方をいくつかご紹介します。
1. 小さく切る
一口サイズに切ることで、のどに詰まるリスクを軽減します。5ミリから1センチ角の長方形やサイコロ状にすると持ちやすく、食べやすいです。
2. 水分をとりながら食べる
水分を摂って、のどをうるおしておきましょう。食べ物が詰まりにくくなります。
3. 柔らかく煮る
鍋で煮込んで柔らかくすることで、噛む力が弱い子どもでも安心。
お汁粉やお雑煮に入れるのがおすすめです。
4. お餅は温かくする
冷たいお餅は硬く、粘り気も強いです。温めて食べやすい硬さにしておきましょう。
5. 洋風アレンジ
お餅をピーラーなどで薄くスライスし、ピザ風にして焼くことで薄くて食べやすい形になります。チーズやトマトソースを加えて、楽しい見た目にするのも楽しい食卓に。
これらの調理法を活用することで、子どもたちもお餅を安心して楽しむことができます。
もしもお餅をのどに詰まらせたら?
お餅を喉に詰まらせてしまった場合、迅速な対応が必要です。特に小さな子どもに起きた場合は、冷静な対処が命を救うことにつながります。
〈対処法〉
- 咳をさせる
咳ができる状態の場合は、自力で咳込ませるようにしましょう。
- 背部こう打法を行う
背中を強くたたいて、詰まったものを吐き出させる方法です。あご下を支えながら、思いっきり背中をたたきましょう。
- 腹部突き上げ法を試みる
背中の後ろから回した手で、お腹を強く突き上げてのどに詰まったものを吐き出させる方法です。乳児や妊婦には行わないようにしましょう。
正しいやり方は、東京消防庁の実践している動画を見ながら学びましょう。
まとめ
お正月のお餅は、子どもにとっては安全面を考慮した調理が欠かせません。今回ご紹介した年齢の目安や調理方法を参考にして、子どもたちと一緒に楽しいお正月を過ごしてくださいね。
出典:
・消費者庁「食品による子供の窒息事故に御注意ください!(PDF)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/170315kouhyou_1.pdf