家庭に最適な住まい作りを支援する『子育てグリーン住宅支援事業2025』は、省エネ性能の高い住宅の取得やリフォームを支援する制度です。子育て中の家族を主な対象にしており、補助金を受けて住環境を改善することができます。この記事では、「子育てグリーン住宅支援事業2025」の補助内容や補助金額などを詳しく解説します!
目次
子育てグリーン住宅支援事業2025とは?
「子育てグリーン住宅支援事業2025」は、子育て世帯や若者夫婦世帯が、省エネ性能の高い住宅を安く取得・改修できるように国が補助金を提供する制度です。この事業は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、環境問題の改善や少子化対策に貢献しつつ、家族に優しい住環境を促進することを目的としています。
主な内容
この事業では、以下の住宅の購入やリフォームに対し費用の一部を補助します。
- ZEH(ゼロエネルギーハウス)水準住宅の建築:
スペックの高い断熱性能と省エネ設備、再生可能エネルギーの導入などにより、住宅の省エネ性能を高めた住宅のことです。ZEH水準では、太陽光発電システムの導入は必須条件ではありません。
- 長期優良住宅の建築:
長期にわたり、良好な状態で住み続けられると国から認められた住宅のことです。2009年に開始され、耐久性・耐震性・維持管理、省エネルギー性のしやすさなど、設定された基準をクリアすることで認定が受けられます。
- GX志向型住宅の建築:
ZEH水準をさらに上回る高い省エネ性能と、エネルギー効率を最大化し、より一層の環境負荷を軽減し脱炭素化を目指す住宅です。国が推進するグリーントランスフォーメーション(GX)の一環として位置づけている、次世代型の住居環境となります。
- 開口部の断熱改修
- 躯体の断熱改修
- エコ住宅設備の設置 など
※GX志向型住宅とリフォームについては、要件を満たせば子育て世帯や若者夫婦世帯に限らず、すべての世帯が補助対象となります。
申請に関する注意点
申請にあたって注意すべき点は以下の2つです。
- 申請期間ごとの予算の上限
交付申請期間は第3期まで設定されており、予算上限額が決められています。この上限に達した場合、受付期間内でも申請が締め切られる可能性があります。
- 事業者が申請を代行する仕組み
申請は購入者ではなく、登録された「子育てグリーン住宅支援事業者」(建築事業者)が代行します。したがって、補助金を受けるためには必ず登録事業者を選定する必要があります。
詳細な申請方法については、後述の「申請受付期間・工事期間」で解説します。
支援が受けられる具体的な金額は?
「子育てグリーン住宅支援事業2025」の支援内容を詳細に解説していきます。
新築(注文・分譲・賃貸)
下記の要件を満たす「注文住宅の新築」、「新築分譲住宅」もしくは「賃貸住宅の新築」の購入が条件となります。
【子育て世帯や若者夫婦世帯が対象となる場合】
子育て世帯や若者夫婦世帯のみが申請いただけます。
対象となる条件
- 子育て世帯:申請時点において子ども(2024年4月1日時点で18歳未満)を有する世帯。ただし、2025年3月末までに建築着工する場合、子ども(2023年4月1日時点で18歳未満)とする。
- 若者夫婦世帯とは、申請時点において夫婦であり、いずれかが39歳以下(2024年4月1日時点)の若者である世帯。ただし、2025年3月末までに建築着工する場合、39歳以下(2023年4月1日時点で39歳以下)とする。
補助対象住宅 | 1戸あたり補助金額 |
長期優良住宅 | 最大80万円 |
ZEH水準住宅 | 最大40万円 |
省エネ性能の高い新築住宅を購入する場合、1戸あたり最大80万円の補助金が支給されます。
また、工事の発注や解体完了時期などの要件を満たす古家の除却を行う場合に、20万円を上限に一定額の加算を受けることができます。
【すべての世帯が対象となる場合】
子の有無や世帯主の年齢に関係なく、どの世帯の方でも申請いただけます。
補助対象住宅 | 1戸あたり補助金額 |
GX志向型住宅 | 最大160万円 |
GX志向型住宅の補助額が1番高く、最大160万円となっています。さらに、どの世帯も申請することができるため、上限額に届くのが他のものより早くなりそうです。
リフォーム
補助金を受けるには、対象工事を実施する5万円以上のリフォームが条件となります。
【すべての世帯が対象となる場合】
リフォーム工事における補助金はどの世帯にも申請していただけます。
対象となる条件
- 必須工事(断熱改修、エコ住宅設備の設置など)を5万円以上実施する。
- 必須工事に加えて任意工事(バリアフリー改修、防災機能向上改修など)を行う場合、補助金額が加算されます。
補助対象住宅 | 1戸あたり補助金額 |
Sタイプ(必須工事1~3すべて実施する場合) | 最大60万円 |
Aタイプ(必須工事1~3のうち、いずれか2つを実施する場合) | 最大40万円 |
※必須工事については、下記対象工事カテゴリーをご確認ください。
※補助額の合計が5万円未満の工事は補助の対象となりません。
リフォーム工事の補助金は、1~3に該当するリフォーム工事のうち2つ以上のカテゴリーを実施した場合に対象とします。4~8の任意工事については、交付申請時に合わせて申請することで、補助の対象となります。
区分 | カテゴリー | 要件 |
必須工事 | 1 開口部の断熱改修 | 2つ以上のカテゴリーの必須工事(SタイプまたはAタイプ)を行った場合のみ補助対象。 |
2 躯体の断熱改修 | ||
3 エコ住宅設備の設置 | ||
任意工事 | 4 子育て対応改修 | 2つ以上のカテゴリーの必須工事を行った上で、実施する場合のみ補助対象となる。 |
5 防災性向上改修 | ||
6 バリアフリー改修 | ||
7 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 | ||
8 リフォーム瑕疵保険等への加入 |
詳細な条件や工事条件に関しては、子育てグリーン住宅支援事業の公式ウェブサイトをご確認ください。「補助金の交付申請」より、検討中の住宅要件を選択することで詳細な内容をご確認いただけます。
申請受付期間・工事期間はいつが対象?
申請受付期間
〈新築〉
新築は、受付期間が3期に分かれており、長期優良住宅・ZEH水準住宅とGX志向型住宅では、予算が分かれているため、それぞれの受付状況により終了期間が異なります。
- 長期優良住宅・ZEH水準住宅
第1期:2025年5月14日〜5月31日 受付終了
第2期:2025年6月1日〜6月30日 受付終了
第3期:2025年7月1日~12月31日
1期と2期の予算を合わせて予算額1,600億円(全体の100%)を上限としています。
予算に対する補助金申請額の割合は公式ウェブサイトからご確認いただけます。
https://kosodate-green.mlit.go.jp/graph
- GX志向型住宅
第1期:2025年5月14日〜5月31日 受付終了
第2期:2025年6月1日〜6月30日 受付終了
第3期:2025年7月1日~12月31日 受付終了 ※予算上限に達したため。
予算に対する補助金申請額の割合は公式ウェブサイトからご確認いただけます。
https://kosodate-green.mlit.go.jp/graph-gx
〈リフォーム〉
リフォームは4月から12月にかけて申請が可能です。
受付期間:2025年4月~12月31日
予算額を400億円とされています。
予算に対する補助金申請額の割合は公式ウェブサイトからご確認いただけます。
https://kosodate-green.mlit.go.jp/graph-reform
工事期間
新築とリフォームによって、対象の工事期間が変わります。工事の進行段階による条件もありますので、事業者に後期の確認が必要になります。
<新築>
下記、期間内に基礎工事に着手、完了した案件であること。
期間:2024年11月22日~2025年12月31日
- 基礎工事より後の工程の工事への着手:2024年11月22日以降であること。
- 基礎工事の完了:建築着工~交付申請まで(遅くとも2025年12月31日)
※予算上限に達した場合、早期終了いたします。
<リフォーム>
下記、期間内にリフォーム工事に着手、完了した案件であること。
期間:2024年11月22日~2025年12月31日
※予算上限に達した場合、早期終了いたします。
※工事請負契約締結後に行われる工事であることとします。
申請方法
購入者または建築主による申請方法は下記です。
- 子育てグリーン住宅支援事業者を住宅省エネ2025キャンペーンサイトより検索します。
- 1で探した事業者に「子育てグリーン住宅支援事業2025」が利用できるか相談しましょう。
- 専門事業者と契約し、工事内容や取得計画を検討します。
- 必要書類を準備(住宅性能評価書、住民票など)し、専門事業者より申請手続きの代行をしてもらいます。※専門事業者のみが申請できます。
- 審査後、補助金は専門事業者へ交付されるため、契約書に基づき還元されます。
※補助金の交付から10年間は、新築住宅やリフォームの設備を国・事務局の承認なく交付の目的に反して処分等をすることができませんので注意しましょう。
※本補助金について確定申告が必要になる場合がありますので、お住まいの税務署にお問い合わせください。
まとめ
「子育てグリーン住宅支援事業2025」は、省エネ性能の高い住宅を取得・改修する際に国から補助金が提供される制度です。補助金額は最大160万円にもなり、子育て家庭や若者夫婦世帯にとって負担軽減の大きな助けとなります。住宅の購入やリフォームを検討している方は、補助金の活用をぜひ視野に入れてみてください。この支援を活用して、家族みんなが安心して暮らせる省エネ住宅を手に入れましょう。
本記事は2025年8月時点の情報を元に作成しています。最新かつ詳細な情報は、住宅省エネ2025キャンペーン事務局のウェブサイトや、「子育てグリーン住宅支援事業2025」公式のウェブサイトをご確認ください。
出典:
・子育てグリーン住宅支援事業
https://kosodate-green.mlit.go.jp
・住宅省エネ2025キャンペーン