共働き家庭が増える中で、子育てと仕事の両立に悩む方は決して少なくありません。特にお子さんが小さいうちは、「もっとそばにいてあげたい」「家族で過ごす時間を大事にしたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。そんな両親を支えてくれるのが「パパママ育休プラス」制度です。この制度を利用すれば、育児休業期間を長く確保でき、ご家庭に合わせたより柔軟な子育てが実現できます。今回は、その仕組みやメリット、活用のポイントを分かりやすくお伝えします。
パパママ育休プラスってどんな制度?
パパママ育休プラスは、両親が共に育児休業を取得するご家庭をサポートする制度です。一般的には、母親が育児休業を取得することが多いですが、最近は父親が育児休業を取得し、母親が仕事に復帰するなど、多様な働き方や家族の形が広がってきました。
この制度では、両親がともに育児休業を取得する場合、育児休業の取得可能期間が「子どもが1歳に達する日まで」から、「子どもが1歳2か月に達する日まで」延長されます。言い換えれば、「2か月分は父親または母親の“プラス分”」として取得期間を広げられる仕組みです。
パパママ育休プラスの取得例
「パパママ育休プラス」では、両親がともに育児休業を取得することで、子どもが1歳2か月に達するまで育休期間を延長できます。取得のタイミングや期間も柔軟に調整可能です。以下、よくある2つのケースを紹介します。
ケース1:母親と父親が順番に育児休業を取得する場合
母親:子どもが1歳まで育児休業
父親:子どもが1歳から1歳2か月まで育児休業

ケース2:母親と父親が一部同時期に育児休業を取得する場合
母親:子どもが1歳まで育児休業
父親:子どもが8か月から1歳2か月まで育児休業
(母親と期間が重なる部分もOK)

このように、パパママ育休プラスを活用すると、家庭の事情に応じて柔軟に育児休業を取得でき、経済的なサポートも続けて受けられるので安心です。
制度のメリットと活用のポイント
■ メリット
- 子どもとの時間を長く確保できる
両親が育児休業を取得すれば、子どもと過ごす大切な時間が増え、成長をしっかり見守ることができます。
- 家族の絆が深まる
父親・母親ともに育児に参加することで、コミュニケーションが増え、家族の絆もよりいっそう強くなります。
- 父親が育児に関わる良い機会に
一般的には母親が育児休業を取得することが多い中で、父親にも自然な形で育児参加のチャンスが生まれるのは大きなメリットです。
- 母親の負担軽減につながる
育児を分担することで、母親の身体的・精神的な負担の軽減にもなります。
■ 注意点・デメリット
- 育児休業期間の制限
パパママ育休プラス制度を利用しても、父親・母親それぞれが取得できる育児休業期間は原則1年間までです(産後休業期間を含む場合あり)。夫婦で交代や重複しながら取得できるものの、「個別に1年2か月まで取得できる」わけではありませんのでご注意ください。
- 収入面に注意
育児休業中は育児休業給付金が支給されますが、通常の給与よりも少なくなることがあります。計画的な家計管理が大切です。
- 職場との調整が必要
長期での取得や、両親が時期をずらして休む場合には、事前に職場としっかり相談して調整することが円滑な取得のコツです。
パパママ育休プラスの取得方法
- 会社へ相談・確認
まずは人事や上司に相談し、就業規則や申請フローを確認しましょう。
- 夫婦で話し合う
ご自身の働き方やタイミング、家族の生活スタイルに合わせて、どう取得するか夫婦でよく話し合うのが大切です。
- 必要書類を準備・申請
会社やハローワークで指定される書類を用意し、育児休業開始予定日の1か月前までに手続きを進めましょう。
育児休業給付金について
育児休業を取得すると、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。これは、育児休業中の生活の支えとなる給付金です。支給額は、休業開始前の賃金をもとに計算されます。パパママ育休プラスを利用して育児休業期間が延長された場合、給付金の支給期間も延長されます。
育児休業給付金についての記事はこちら
まとめ
パパママ育休プラスは、両親がともに子育てに関わることで、お子さんの成長を身近に感じられ、家族みんなの新しいスタートをあたたかく後押しする制度です。大切な家族の時間を充実させるために、ぜひ積極的に活用してみてください。