東京都で子育てする家庭にぴったりの支援制度、「東京こどもすくすく住宅」をご存じですか?子どもは親の想定以上に元気に動き回り、自宅にいても危険にさらされる場合があります。子どもにとって、安全な住環境を整えるための費用をお得にしてくれるのがこの制度。本記事では、支援内容や対象者などを分かりやすく解説していきます。
目次
1. 東京こどもすくすく住宅とは?

「東京子どもすくすく住宅(東京こどもすくすく住宅子育て世帯向け補助事業)」は、子育てに適した住まいに向け、安全性や家事のしやすさなどに配慮した住宅環境支援への補助金を東京都から交付してもらえる制度です。
毎日、お家で過ごす中で、小さな子どもにとって危険を感じたお母さんやお父さんも多いはず。安心して子育てをするためにも、子どもの安全確保に向けた改修工事やリフォームをお得に行いましょう。
2025年5月以降は、戸建住宅も東京こどもすくすく住宅認定制度の対象に含まれるようになり、戸建住宅の特性に合わせた新たな認定基準が加わりました。認定基準の詳細は、公式サイトをご確認ください。
対象範囲が増えたことで、ますます子育て世帯から注目を集めている制度となっています。
2. 東京こどもすくすく住宅の支援内容は?
子育てに配慮した住宅のガイドラインが定められており、こちらに認定されたものや内容に準拠している住宅が対象となります。どの項目も新しい社会情勢を踏まえ、災害への対応だけでなく家族の時間が充実したものとなるよう、主に次の4つの視点で基本的には取りまとめられています。
- 子どもの遊び場や子育てのための施設など「良好かつ利便性の高い周辺環境の確保」
- 子育てに配慮した設備や間取りなど「安全性・家事の効率性の確保」
- 子育て世帯や多様な世帯による「コミュニティ醸成、活発で安心感のある交流の展開」
- 集会所や自転車置場などを円滑に利用するための「管理・運営のルールづくりなど」
東京都からの補助金を活用し、子どもにとって安心できる我が家を実現させていきましょう。東京都が提供している「東京すくすく住宅」制度には下記の支援が行われています。
東京こどもすくすく住宅認定制度
どんな制度?
子どもの安全性や家事のしやすさ、子育て環境への配慮など、東京都が定めた基準を満たした住宅を「子育てに優しい家」として認定する制度です。
メリット
- 子育て世帯が住まいを選ぶ際の目安になります。
- 認定された住宅を建築する事業者は、建築費用や改修費用の一部に補助金を活用できる場合があります。
- 認定住宅は東京都のホームページに掲載されるため、賃貸物件の場合は入居希望者へのアピールにもつながります。
東京こどもすくすく住宅供給促進事業
どんな制度?
子育て世帯が住みやすい認定住宅を増やすため、東京都が住宅を建てる事業者(デベロッパーなど)に対し、その整備費用の一部を直接支援する制度です。
メリット
- 子育て世帯にとっては、子育てに配慮した質の高い住宅が供給される機会が増えています。
【フラット35】地域連携型(子育て支援)
どんな制度?
「東京こどもすくすく住宅」に認定された住宅を子育て世帯が購入する際に、住宅金融支援機構の長期固定金利住宅ローン【フラット35】の借入金利が、一定期間(例えば当初5年間で年0.5%など)引き下げられる優遇制度です。
メリット
- 住宅ローンの返済負担を軽減できます。
「東京こどもすくすく住宅」認定マーク
どんな制度?
東京都が定めた子育て世帯向け住宅の基準を満たしていることを示す、東京都公式の信頼マークです。
メリット
- このマークがある住宅は「子育てに配慮した設計・設備が整っている」という東京都のお墨付きがあるため、子育て世帯にとっては住まい選びの際に安心して検討できます。
子育て世帯向けWEBコンテンツ ~マンション編~
どんな情報?
「子育てしやすいマンションってどんな感じ?」という疑問に答えるために、マンションでの快適な子育てを実現するための具体的な工夫やヒントを紹介するウェブサイトコンテンツです。
内容
子どもの安全や家事の効率を考えた間取り、設備のアイデアなどが掲載されています。
戸建て住宅を検討している子育て世帯にもおすすめです。
東京都子育て支援住宅認定制度等意見交換会
どんな取り組み?
子育て世帯にとってより良い住宅環境を作るため、住宅事業者や行政関係者などの専門家が集まり、現在の制度や今後の改善点について話し合う定期的な会議です。
目的
- 制度のさらなる改善や発展を目指しています。
子育て世帯向け補助事業(「子供を守る」住宅確保促進事業)
どんな制度?
お子さんの安全を守るための住宅改修工事にかかる費用の一部を、東京都が補助する制度です。
内容
- 対象 :マンションにお住まいで、小学生以下のお子さんがいるご家庭。
- 補助金額:1戸あたり最大30万円が補助されます。
- 具体例 :バルコニーの転落防止ネット設置や階段の滑り止め加工など、安全対策や や防犯対策のリフォームが対象です。
メリット
- 住宅の安全性が上がり、子どもも親も安心感が得られる。
- 分譲マンションにお住まいのオーナーさんはもちろん、賃貸マンションの借り主さんも補助を受けられる場合があります(ただし、大家さんの許可が必要です)。
「東京こどもすくすく住宅」の中心的な制度として、7つの制度や取り組みを紹介しました。子育て世帯がすぐに利用できる制度としては、「子育て世帯向け補助事業(「子供を守る」住宅確保促進事業)」、「【フラット35】地域連携型(子育て支援)」が挙げられます。賃貸物件、戸建に関わらず、補助金の対象となりますので、お申込み方法を次の章以降でご確認ください。
3. すぐに申請できる制度はどれ?
先述したとおり、子育て世帯がすぐに利用できる制度は限られています。ここでは、「子育て世帯向け補助事業(「子供を守る」住宅確保促進事業)」と「【フラット35】地域連携型(子育て支援)」の申請方法について解説していきます。
子育て世帯向け補助事業(「子供を守る」住宅確保促進事業)
対象者が分譲マンションの区分所有者で、自身が居住している方、賃貸マンションに居住している方が対象となり、賃貸マンションの借主でも補助が受けられるのが特徴です。
分譲マンションの場合は、バルコニーやベランダなど共有部の改修には管理組合の承認が必要となります。また、賃貸マンションの場合は借主だけで、勝手にリフォーム工事をすることはできません。また、貸主の了承を得た場合でも、原状回復が条件となっていた場合には、退去時に取り外しが困難かどうかも確認が必要です。
〈申請フロー〉
- 事前相談書を指定WEBフォームから申請する
- 補助金を指定された申請フォームより申請する
分譲マンションおよび賃貸マンションごとに必要な書類を揃えましょう。
- 交付決定通知書の送付
- 実績報告
工事箇所の完了写真等の書類を揃えます。
- 補助金の請求
- 口座へ補助金が振り込まれる
まずは、東京こどもすくすく住宅認定制度の相談窓口に工事内容について事前に相談してみるのがいいでしょう。対象となる工事や必要な書類、大家さんへの確認について教えてくれるはずです。
【フラット35】地域連携型(子育て支援)
子育て世帯または若年夫婦世帯が安心して住宅ローンを返済できるよう支援する、貴重な取り組みです。
集合住宅、戸建て住宅ともに、東京こどもすくすく住宅供給促進事業(事業者向け補助事業)の「分譲新築型」又は「分譲改修型」による補助金の交付決定(※)を受けているといった制約がありますので、購入予定、もしくは購入を検討している住宅が対象化どうかは、公表されている適用対象となる認定住戸一覧より確認してみてください。
〈申請フロー〉
- 対象住宅・住戸を取得することが分かる書類の準備
- 東京都へ【フラット35】地域連携型利用申請フォームより申請する
- 東京都から「【フラット35】地域連携型利用対象証明書」を受領する
- 借入申込み金融機関へ「【フラット35】地域連携型利用対象証明書」を提出する
まとめ
東京都の「東京こどもすくすく住宅」関連施策には、「認定マーク」や「子育て世帯向けWEBコンテンツ〜マンション編~」など、多くの取り組みが含まれています。それぞれの制度は、子育て家庭が安心して暮らせる住環境を提供し、住まい選びのハードルを下げるよう設計されています。新しい住まいを検討する際、家族に安心を与える住まいかどうかも考えてみてください。
※本記事は2025年9月現在の情報に基づき作成しています。最新かつ詳細な情報は、東京都のウェブサイトやお住まいの自治体窓口、企業の担当部署にご確認ください。
出典:
・東京こどもすくすく住宅 子育て世帯向け補助事業